ヘッジス&バトラー社は1667年にエドモンド・ハリスによってワイン商としてロンドンに設立された。以来、300年を超える伝統をもつ。設立当時、国王チャールズ2世の命によってウイスキー蒸留に乗り出し、それ以来ウイスキー生産が家業になったといわれる。チャールズ2世以降、ヘッジス&バトラー社がウイスキーを献上したのはウイリアム4世に始まり、ヴィクトリア女王、エドワード7世、ジョージ5世、エドワード8世、ジョージ6世と、ウイリアム4世以下のすべての王室にわたっている。まさに英王室のウイスキーだったと、言っていい。そのためかヘッジス&バトラーのラベルには、すべてロイヤルの形容詞がついている。同社と王家との縁はイギリスだけにとどまらず、1886年にスペイン王室御用達、1908年にポルトガル王室御用達、さらに1905年(明治38年)には、わが国の明治天皇にも献上され、ロイヤルの名にそむかぬ貫禄を示している。また、ボトルに刻印してある会社設立の年1667の数字と、グリーン・ボトル採用は昔も今も変わっていない。ヘッジス&バトラーは、すべてライト&マイルドな味に仕上げられている。そして、いわゆるスタンダードものはデラックスの肩書をもち、その上の8年ものにはスペシャル・デラックス、12年ものにはファイネスト・デラックス、15年ものにはシュープリーム・デラックス、21年ものにはインペリアル・デラックスの肩書がついている。なお、ヘッジス&バトラー社は、イギリスの大手ビール企業バス社の傘下に入っていて、バス社系列の他のウイスキー会社を統轄する役目も果たしている。