アメリカの地で、蒸留酒がつくられるようになったのは、17世紀半ばからで、当初はもっぱら糖蜜が原料であった。その後、ヨーロッパから輸入したライ麦も使われるようになる。
アメリカ産の穀物による蒸留所は、1770年にピッツバーグに生まれたのが最初といわれる。とうもろこし主体のウイスキーは、1789年、ケンタッキーで、牧師エライジャ・クレイグがつくったのが最初だとされているが、1783年にエヴァン・ウイリアムズが試みたのが最初、とする説もある。
現在、アメリカのウイスキーは、連邦法の規制のもとでつくられている。それによると、ウイスキーとは、穀物を原料にし、アルコール分95度未満で蒸留した後、オーク樽で熟成(コーンウイスキーだけは熟成させなくてもよい)させたもの、およびそれにスピリッツをブレンドさせたものであり、40度以上で瓶詰めしたもの、となっている。
この範囲内で個性を打ち出したいウイスキーは、アルコール分80度未満で蒸留し、内側を焦がした新しいオーク樽で熟成させる。その場合、原料にとうもろこしを51%以上含んでいればバーボンウイスキーとなり、ライ麦を51%以上含んでいればライウイスキーとなる。ただし、とうもろこしを80%以上含み、樽熟成させないか、熟成させるにしても内側を焦がしていない新樽か、内側を焦がしたオークの古樽を使ったものは、コーンウイスキーとなる。
そして、こうしたウイスキーが二年以上熟成された場合、名称の上に「ストレート」という語が付く。また、法的にはバーボンに分類されるが、テネシー州でつくられ、同州産のサトウカエデの炭で濾過してから樽熟成させたものは、商習慣上、テネシーウイスキーとして区別されている。
このほか、ブレンデッドウイスキーが、アメリカ国内でかなり消費されている。これは、ストレート・バーボンやストレート・ライなどのストレートウイスキーを、20%以上ブレンド(アルコール分50度換算)したウイスキーのことで、残りの部分は、どんなウイスキーでもよく、ニュートラル・スピリッツでもよい。
以上のうち、日本市場で人気のあるのは、何といってもバーボンだろう。バーボンも、最近は、新機軸を打ちだした製品が現れるようになって、日米のファンの注目するところとなっている。一つは、シングル・バレル・バーボン。樽同士のブレンドをせず、熟成のピークに達したひと樽のみを、少量瓶詰めしたもの。もう一つは、スモール・バッチ(少量生産)・バーボン。5〜10樽の熟成した優良バーボンをブレンドした、数量限定バーボン。両者とも、高級バーボン党の舌をとらえつつある。