国産ウイスキーは、モルトウイスキーと、ブレンデッドウイスキーの二タイプが主流である。そして、ブレンデッドウイスキーは、モルトウイスキーを風味の中核に据えて品質設計されている。そういう点では、スコッチウイスキーに似たタイプのウイスキーということができる。
ただ、国産ウイスキーは、スコッチに比べてピート香がぐっと抑えられ、穏和な性格をもつ。また、発酵、蒸留、および樽熟成に由来するエステリーな芳香に優れ、総体的にデリケートな風味をもち、口当りもマイルドである。従って、国産ウイスキーは、スコッチとアイリッシュの中間に位置するウイスキーといったほうが妥当であろう。
日本で初めて本格的なウイスキーづくりに乗り出したのは、サントリー株式会社の前身、寿屋の鳥井信治郎だった。彼は、1923年秋、京都府山崎に日本最初のウイスキー蒸留所を建設。蒸留、熟成ののち、1929年に本格的な国産ウイスキーの第一号商品「サントリー白札」をリリースした。
これに続いてウイスキー生産に乗り出したのが、1924年設立の東京醸造株式会社。1937年、神奈川県藤沢工場製「トミー・ウイスキー」を発売したが、1955年に惜しくも姿を消した。三番手が今のニッカの前身、大日本果汁株式会社。1934年に北海道余市町で蒸留を始め、1940年「ニッカウヰスキー角瓶」をリリースした。
ニッカという名称は、社名の大日本果汁の略称「日果」に由来する。第二次世界大戦後にスタートした主なウイスキーメーカーとしては、1945年に「45ウイスキー」で登場した東洋醸造(現旭化成)、1946年に「オーシャン・ウイスキー」で登場した大黒葡萄酒(現メルシャン株式会社)、1974年に「ロバート・ブラウン」で登場したキリン・シーグラムなどがある。